楽天モバイル、携帯参入にらみ大型販売店を開業
楽天の通信子会社、楽天モバイル(東京・世田谷)は東京都内に格安スマートフォン(スマホ)を販売する大型店舗を相次ぎ開いた。同社の携帯販売はインターネットが主力。10月に第4の携帯キャリアとして携帯サービスを開始するのを控え、きめ細かい顧客対応ができる店舗を増やす。都心部に旗艦店を構えることで、楽天モバイルの認知度を高める狙いもある。
「商品をすぐに受け取りたい。商品を実際に見たい。そういうニーズは大きい」。楽天モバイルの大尾嘉宏人常務執行役員は25日、都内で開いた会見で販売店を拡充する狙いを強調した。4月時点の店舗数は約500店と、1年前から約300店増やした。これまでは小型店が多かったが、今後は都心部に旗艦店となる大型店も出店していく方針だ。
まず19日に「渋谷公園通り店」(東京・渋谷)を開業した。地上1~3階の3フロアで構成し、延べ床面積は320平方メートル。ショールームや受付カウンターのほか、待ち時間を過ごしてもらうラウンジなどを設けた。
25日にはJR池袋駅から徒歩3分に立地する「池袋東口店」(東京・豊島)を開いた。延べ床面積は160平方メートルで、受付カウンターの数は14席。コンシェルジュが常駐し、顧客の要望にきめ細かく応える。
楽天は10月に携帯キャリアとしての携帯事業に参入する。同社の格安スマホの利用者は現在の料金プランのまま楽天の通信網に移行することができる。携帯事業と格安スマホのすみ分けについて大尾嘉常務執行役員は「10月以降の営業戦略についてはコメントできない」と述べた。
(広井洋一郎)
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