時速100キロ近くで暴走か 池袋10人死傷
東京都豊島区東池袋で乗用車が暴走し10人が死傷した事故で、車は当時、時速100キロ近い速度で横断歩道に進入したとみられることが24日、捜査関係者への取材で分かった。警視庁は運転していた旧通産省工業技術院の飯塚幸三元院長(87)が直前に縁石との接触事故を起こし、パニック状態に陥った疑いがあるとみている。
警視庁は同日までに事故現場となった都道を通行止めにして実況見分を実施。現場の状況やドライブレコーダーの映像などから速度を鑑定した。捜査関係者によると、車の速度はこの都道の制限速度50キロを大幅に超える100キロ近くに達していたとみられるという。
飯塚元院長の車は現場の直線道路に入るところで左側の縁石に接触したが、停車せずに急加速した。2回の赤信号を無視して約150メートルを直進し、横断歩道にいた歩行者や自転車をはねた。ドライブレコーダーにはその間、飯塚元院長が「どうしたんだろう」と動揺した様子で話す声が記録されていた。
事故は19日午後0時25分ごろに発生。近くに住む松永真菜さん(31)と長女の莉子ちゃん(3)が死亡し、飯塚元院長と同乗の妻を含め男女8人が重軽傷を負った。