トランプ氏、ハーレー擁護に転換 欧州関税に報復示唆
【ワシントン=鳳山太成】トランプ米大統領は23日、米二輪車大手ハーレーダビッドソンの業績が欧州連合(EU)の追加関税で悪影響を受けているとして「とても不公平だ。我々はやり返す!」とツイッターで警告した。これまではEUの関税を避けるため欧州向け生産を米国外に移した同社を厳しく批判していたが、一転して擁護する姿勢に回った。
トランプ氏は、ハーレーがEUの関税で米国外への生産移管を迫られたとの報道に言及したうえで、報復を示唆した。ハーレーが23日発表した2019年1~3月期連結決算は、純利益が前年同期比で27%減った。EUの関税を減益の一因に挙げた。
EUは18年6月、トランプ政権の鉄鋼・アルミニウム関税への報復として、米国から輸入する二輪車などに25%の追加関税を発動した。このときは国外への生産移管を決めたハーレーにトランプ氏は「関税を言い訳にしている」などと矛先を向けていた。
トランプ氏は27日、ハーレーの本社がある中西部ウィスコンシン州で選挙集会を開く予定だ。現地の支持者と会う前に同社を擁護する方針に変えた可能性がある。
トランプ氏は最近、貿易面でEUへの不満を強めている。9日には航空機への補助金が不当だとして110億ドル(約1兆2千億円)分に報復関税を課すと警告した。
ドナルド・トランプ元アメリカ大統領に関する最新ニュースを紹介します。11月の米大統領選挙で共和党の候補者として、バイデン大統領と再び対決します。「もしトラ」の世界はどうなるのか、など解説します。