ウクライナとは 独立から30年足らず、東部でロシアと紛争
ウクライナ 欧州とロシアの間に位置し、1991年のソ連崩壊に伴い独立した。人口は約4400万人で、日本の約1.6倍に当たる約60万キロ平方メートルの国土を持つ。公用語はウクライナ語でロシア語を母語とする人が東部を中心に3割ほどいるとされる。欧州の穀倉地帯として知られ、石炭や鉄鉱石などの資源や鉱工業でも発展した。
首都キエフはロシアがルーツと主張する「キエフ・ルーシ(公国)」の発祥地。モンゴルやリトアニア、ポーランドなどの支配を経て、18世紀後半には大部分がロシア領となった。
91年の独立以降、大統領選では親ロ派と親欧米派がせめぎ合い、2004年には選挙の不正に抗議が広がり、やり直し選挙で親欧米政権が誕生した「オレンジ革命」で注目を集めた。
14年に親ロシア派政権が市民デモで崩壊し、親欧米派のポロシェンコ政権が発足。これに反発したロシアは南部クリミア半島に侵攻し、併合を宣言した。東部のドネツク、ルガンスク2州の一部地域を親ロ派勢力が実効支配し、紛争が続く。
19年1月にはウクライナ正教会が独立し、同国教会の管轄権を主張してきたロシア正教会の影響下から離れ、両国の対立は宗教にも広がった。