スリランカ爆発 現地の邦人「安全な町でまさか…」
スリランカの最大都市コロンボなどで21日に発生し、瞬時にして数百人の死傷者を出した爆発事件。大勢が出入りするホテルや教会が同時に狙われたとみられ、日本人の負傷者情報も。「内戦終結後は安全な国だったのに……」。現地で暮らす日本人は言葉を失った。
現地でコンサルティング会社を経営する田村智子さん(54)は事件発生時、コロンボ中心部の自宅で家族と過ごしていた。爆発音は聞こえなかったが、自宅は事件現場となったホテルから3~4キロの距離。周辺は事件に巻き込まれたとみられる負傷者を搬送する救急車のサイレンがけたたましく響き続けたという。
田村さんはすぐに友人やビジネス関係者に電話をかけ、安否を確認。巻き込まれた知人はいなかったが、「(2009年の)内戦終結から10年。治安も改善し、すっかり平和になったと思っていたのに悲しい。平和を祈る場所である教会が狙われたことに憤りを感じる」と話した。
爆発現場から約5キロ離れた自宅にいた、自営業の40代女性は事件発生後、スリランカ人の友人から「爆発があったようだ。外に出ないで」と電話連絡を受けた。
現場周辺は自身も食事や買い物などで日常的に利用するエリアといい、「観光客もよく訪れる場所。こんなことが起きるなんて……」と動揺を隠せない。近年は政府方針に反対するデモなどはあっても、今回のような住民の治安が脅かされる事件はなかったという。女性は「何が狙われたのか確かな情報がなく、戸惑っている。しばらくは外に出られない」と声を落とした。
ツイッターやフェイスブックなどの交流サイト(SNS)には、「知人が巻き込まれていないか心配だ」「大型連休で旅行する予定だけど大丈夫かな」などと現地の状況を知ろうとする投稿が相次いだ。
「今朝大きな物音を聞いた。しばらくホテルにとどまろう」。コロンボ市内に滞在中とみられる日本人男性は、こんな書き込みを投稿し、不安を吐露した。