衆院補選、自民2敗 大阪は維新・藤田氏 沖縄は屋良氏
衆院大阪12区、沖縄3区の両補欠選挙が21日、投開票された。大阪12区で日本維新の会が擁立した新人の藤田文武氏、沖縄3区で野党が支援した無所属新人の屋良朝博氏がそれぞれ初当選した。第2次安倍政権の発足以降、自民党が補選で敗れるのは、不戦敗だった2016年の衆院京都3区補選を除けば初となる。
大阪12区補選は自民党の北川知克元環境副大臣の死去に伴う。投票率は47%で前回比0.5ポイント減となり過去最低だった。
自民党は北川氏のおい、晋平氏を擁立し「弔い選挙」を訴えた。維新の藤田氏は7日投開票の大阪府知事・市長のダブル選の勝利を追い風に戦いを制した。旧民主党政権で総務相を務めた樽床伸二氏、元共産党衆院議員の宮本岳志氏は「非自民・非維新」の受け皿を狙ったが支持に広がりを欠いた。
玉城デニー氏の沖縄県知事転出を受けた沖縄3区補選は与野党が対決する一騎打ちの構図となった。投票率は43.99%で前回に比べ10.06ポイント下がり過去最低となった。
立憲民主党や国民民主党など野党が支援した屋良氏は安倍政権が進める米軍普天間基地(宜野湾市)の名護市辺野古への移設反対を主張した。移設を容認し沖縄振興を訴えた自民党新人の元沖縄・北方相の島尻安伊子氏は及ばなかった。
普天間基地の辺野古移設をめぐっては、18年9月の県知事選、今年2月の県民投票に続いて反対派が勝利した。
2補選は、安倍晋三首相が18年9月の自民党総裁選で連続3選して以降、初めての国政選挙となった。首相が20日に大阪入りするなど各党は期間中、幹部を連日現地に送り込んだ。選挙結果は参院選に向けた各党の動きに影響を与えそうだ。
安倍政権は後半国会で幼児教育・保育を無償化する子ども・子育て支援法改正案など重要法案を早期に成立させるほか、外交日程に注力する構え。5月25~28日にトランプ米大統領の国賓来日、6月28~29日に大阪で開く20カ国・地域(G20)首脳会議などが控える。