令和の解説、6案で最も充実
政府が19日に公表した議事概要は令和の考案者や令和以外の元号案、出典、発言者の名前などは伏せている。発言内容もあくまで概要だ。
一連の会議の出席者への取材によると、政府側は各会議の冒頭で令和を含む6つの元号案を示した。封筒入りの横長の1枚紙に右からあいうえお順に「英弘(えいこう)」「久化(きゅうか)」「広至(こうし)」「万和(ばんな)」「万保(ばんぽう)」「令和」を並べた。
用紙にはそれぞれの出典や解説文を記した。このうち「令和」「英弘」「広至」は出典が日本の古典(国書)。令和は日本最古の歌集「万葉集」で、他の2案は古事記や日本書紀から引いた。「久化」「万和」「万保」は中国の古典(漢籍)を典拠にした。
「令和の解説文が一番長く政府の最有力案だと思った」。閣僚の一人は初めて見た時の印象を語る。首相周辺によると新元号公表後の首相談話は6案全てに用意されていたわけではなかった。
衆参両院の正副議長への意見聴取では大島理森衆院議長と伊達忠一参院議長は具体案に言及せず、いずれの案も肯定する考えを示した。赤松広隆衆院副議長は「久化」や「広至」を推薦。郡司彰参院副議長は令和に「季語がある和歌を引用するのは季節が限られるのでは」と疑問を呈した。
全閣僚会議で口火を切ったのは河野太郎外相だった。「元号は国書から選ぶのがいいのではないか」。渡辺博道復興相らも同調した。岩屋毅防衛相は令和に関し「響きが少し牧歌的すぎるような感じがする」と指摘した。