ウナギ国際会議、資源保護の具体策は先送り
ニホンウナギの保護や管理を話し合う国際会議が18~19日に都内であった。稚魚となるシラスウナギについて、国際取引でのトレーサビリティー(生産履歴の追跡)改善に取り組む方針で一致した。資源保護の具体的な対策は決まらず、課題を残した。
会議にはニホンウナギの漁獲や養殖を手掛ける韓国、台湾の担当者が出席した。中国は5年連続の欠席だった。11月から始まる来漁期について、稚魚を養殖池に入れる量の上限を変更しないことで合意した。中国が会合に欠席したため「(会議参加国だけで)上限を変えることに意義はない」(水産庁)と進展がなかった。
今年は日本の漁獲量が少ない。前年は3月をピークに国内全体で約9トンとれたが、今年は2トン強にとどまる。資源不足からウナギの不漁が続いている。今夏の土用の丑(うし)の日は「価格が下がることはない」(専門商社)との声が出ている。