サウジアラムコ、印大手財閥の石油事業に最大25%出資検討
【ムンバイ=早川麗】サウジアラビア国営石油会社のサウジアラムコが、インド大手財閥リライアンス・インダストリーズ(RIL)の石油関連事業へ出資を検討していることが明らかになった。石油精製や石油化学品の事業に最大25%出資する方向で協議を進めているという。インドの地元紙などが報じた。
サウジアラムコの出資額は1兆円を大きく超える見込み。実現すれば、サウジアラムコは拡大するインドの燃料需要を取り込める。RILは出資を受け入れることで原油を安定的に確保するほか、借入金を圧縮するなどの狙いもありそうだ。
RILの石油関連事業の価値などを巡り協議が続いており、インド紙タイムズ・オブ・インディアは「6月ごろに合意する可能性がある」と報じている。サウジアラムコは4カ月前にRILへの出資に関心を示したとされる。2月にサウジアラビアのムハンマド皇太子がインドを訪問し、RILのムケシュ・アンバニ会長兼社長と会った後に交渉が加速したという。
RILが18日発表した2019年3月期の連結決算は、売上高が前の期比45%増の6兆2280億ルピー(約10兆円)、純利益は同13%増の3958億ルピーだった。主力の石油や石化製品の販売が、内需の拡大で堅調に増えた。小売事業や携帯電話事業など消費者向けも好調だった。RILの時価総額は約8兆7000億ルピーと同国で最大だ。
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