韓国中銀、19年成長率予測を下方修正 2.5%に
【ソウル=鈴木壮太郎】韓国銀行(中央銀行)は18日、2019年の国内総生産(GDP)成長率見通しを従来の2.6%から2.5%に下方修正した。主力産業の半導体の不振が当初の予想を超え、設備投資や輸出の見通しを低く見直した。韓国銀行は下期にかけて景気が回復するシナリオを描くが、それも半導体の市況次第といえそうだ。
「1~3月期の輸出と投資が当初予想より低かったことを反映した」。18日記者会見した韓国銀行の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁は、成長率見通しを下方修正した理由を説明した。上期は年初予想より0.2%低い2.3%、下期は同0.1%低い2.7%を見込む。
主因は半導体の不振だ。サムスン電子が5日発表した同じ期の連結決算(速報値)は営業利益が前年同期比で60%減った。6割もの減益は4年半ぶりだ。稼ぎ頭でサーバーなどのデータを一時保存するDRAMが失速した。
半導体の予想以上の落ち込みを受け、韓国銀行は設備投資の見通しも年初の2%増から0.4%増に、輸出を同3.1%増から2.7%増にそれぞれ下方修正した。
半導体業界は下期の市況回復を見込む。李総裁も「半導体の不振は一時的な調整局面だ。3月は輸出が回復基調にあり、業界予想を裏付けている」と好転に期待感を示した。
ただ、半導体市況の回復は時間がかかるとの見方もある。「GAFA」と呼ばれる米IT(情報技術)大手4社を筆頭とするDRAMの大口需要家はまだ大量の在庫を抱えているとの観測がある。
20年の成長率見通しは2.6%と年初予想を据え置いた。政府支出の伸びが鈍化する一方、設備投資と輸出が回復すると見込む。マンション建設の一服で低迷する建設投資もマイナス幅が縮小し、全体では19年を小幅ながら上回ると予想した。