近畿の輸出額、平成の30年で2倍に
大阪税関は17日、平成30年分(1989年から2018年)の近畿2府4県の貿易統計(確定値)をまとめた。17兆1476億円と過去最高を記録した18年(平成30年)の輸出額は、89年(平成元年)と比べて2.1倍に拡大。平成の30年で著しい経済成長を果たした中国向けの輸出が増加したほか、輸出品目の主力も繊維関連から半導体等電子部品に移り変わった。
89年の輸出品目で金額が最も多かったのは服地や裏地に使う合成繊維織物。6477億円で全体に占める割合は約8%だった。国内の縫製工場が労働力の割安な中国に移ったことに対応し、現地に素材を供給していたという。ただ、現地調達に切り替わったため18年には9位に後退し、金額も約33%減った。ビデオデッキやテレビカメラを含む映像機器は3位から圏外に消えた。
一方、30年で大きく伸びたのが半導体等電子部品で、89年の5位から18年は1位に上昇した。金額は89年比5.6倍の1兆8980億円。具体的な品目もブラウン管などから半導体デバイスなどに移り変わった。
輸入額も平成の30年で2.4倍の15兆4349億円になった。国別の輸出入先では89年はいずれも米国が1位だったが、輸出は03年、輸入は94年から中国が1位に。89年の中国向け輸出は6位の4153億円だったが、18年には10.5倍の4兆3442億円に増加した。