日米貿易交渉、物品軸に 茂木氏「為替は財務相で」
【ワシントン=飛田臨太郎】日米両政府は15日午後(日本時間16日午前)、閣僚級による貿易交渉の初会合をワシントンで始めた。茂木敏充経済財政・再生相は15日の協議後の記者会見で「昨年9月の共同声明に沿って交渉を進めると再確認した」と述べ、まず物品貿易を軸に交渉を進める考えを示した。為替条項については「財務相間で議論する」と語り、同交渉とは別との認識を示した。
協議は16日まで継続する。昨年9月の日米首脳会談で物品貿易協定(TAG)交渉入りで合意して以来、初めての会合だ。茂木氏とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表が協議した。15日は約3時間にわたり、大半は通訳を交え2人きりで議論した。茂木氏は「率直な非常にいい協議ができた」と述べた。16日の協議後にも記者会見を開く。
共同声明では、自動車や農業などの物品貿易と早期に結論が得られる一部のサービス分野を最初の交渉範囲としていた。茂木氏はライトハイザー氏と「交渉の進め方では一致できている」と語った。サービス分野の交渉については「具体的にそういった分野は出てきていない。今日の内容の中心は物品だ」と述べた。
茂木氏は記者会見で、為替条項について「2017年2月の日米合意で、財務相間で議論するということで合意している」と述べ、TAG交渉での議論に否定的な考えを示した。ムニューシン米財務長官は13日、貿易交渉に先だって「為替も議題となり、協定には通貨切り下げを自制する為替条項を含めることになる」と述べていた。
茂木氏は「ムニューシン氏とは協議していない。ライトハイザー氏が私のカウンターパートだ」と強調した。ただ、為替条項が15日の協議の議題になったかについては「個別内容については明日話す」と述べるにとどめた。
米国側が日本からの自動車の輸入に対し数量規制を求めてくるかも焦点になっている。日本は拒否する構えだ。茂木氏は米国が要求してきたかを問われ「細かいことは明日、話す」と語った。
安倍晋三首相は4月26~27日に訪米し、トランプ米大統領と会談する。閣僚級協議での議論を首脳間でも確認する見通しだ。