首相「復興進む姿、世界に発信」 福島第1原発を視察
安倍晋三首相は14日、東京電力福島第1原子力発電所を視察した。防護服を着用せずスーツ姿で廃炉作業の進捗を確認した。視察後に報道各社のインタビューに応じ「来年3月、聖火リレーがスタートするJヴィレッジを訪問して復興五輪の開幕、復興が進んでいる福島の姿を世界に発信したい」と語った。
福島第1原発の視察は2013年9月以来、5年7カ月ぶり3回目となる。廃炉作業や汚染水対策に従事する作業員に感謝状を授与した。「廃炉への道のりは長く、険しいものだが、一歩一歩着実に前進させたい」と述べた。
20年東京オリンピック・パラリンピックの聖火リレーの出発地点であるサッカー施設「Jヴィレッジ」も訪ね、小中学生と交流した。「Jヴィレッジ」はこれまで福島第1原発事故への対応の拠点だったが今月20日には全面再開を迎える予定だ。
桜田義孝氏が東日本大震災からの復興を軽視する発言をして五輪相を辞任したことに関しては言及しなかった。「閣僚全員が復興大臣であるとの基本方針を、もう一度胸に刻みながら、全力を尽くしていく」と述べるにとどめた。
政府が10日に避難指示を8年ぶりに解除した福島県大熊町大川原地区も訪れた。大川原地区で収穫されたお米で作られたおにぎりを試食すると「もちもちしていておいしい」と笑顔で語った。