ブログ懲戒請求に賠償命令 「根拠ない」弁護士側勝訴
朝鮮学校への補助金を批判するブログの呼び掛けに応じ、弁護士会への懲戒請求が相次いだとして、東京弁護士会の佐々木亮弁護士と北周士弁護士が、請求者のうち男女6人に計396万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は12日、慰謝料全額に当たる360万円の支払いを命じた。
谷口安史裁判長は、懲戒請求の理由が事実かどうかを調べた形跡はないと指摘。「根拠がないのに請求しており、弁護士懲戒制度の趣旨目的に照らし相当性を欠く」と結論付けた。
このブログを発端とする懲戒請求を巡っては、神奈川県弁護士会の2人の弁護士が11日、請求者712人に計約3億6700万円の損害賠償を求め提訴したと発表した。
問題のブログは、朝鮮学校に適正な補助金交付を求める東京などの弁護士会長声明に関与したなどとして、当該弁護士会宛てに懲戒請求を呼び掛けた。今回の判決は、2人が声明の作成や発表に関与していなかったと認定した。佐々木、北両弁護士は他に、東京、大阪、広島、福岡の各地裁で、別の請求者計150人にも同様の訴訟を起こしている。〔共同〕