岩手知事「信じられない軽口」 前五輪相発言に不快感
東日本大震災被災地への配慮を欠く発言をして桜田義孝五輪担当相が辞任したことについて、岩手県の達増拓也知事は11日、「信じられない軽口。本人が辞めれば済むことではない」と述べ、強い不快感を示した。福島県の内堀雅雄知事も「被災地に対する思い、理解が欠けており、極めて遺憾」とコメントした。
達増知事は多くの追悼行事が営まれた震災発生日の3月11日から1カ月足らずにもかかわらず、桜田氏が問題発言をしたことを指摘。「大臣個人の問題というよりも、今のままだと政権全体として復興に背を向けていると指摘されても仕方ない」と批判した。
桜田氏の後任として衆院岩手2区選出の鈴木俊一氏が起用されたことには「岩手の復興についてともに取り組んで来た人」と期待。そのうえで「政権全体として復興への基本的な考え方を定めて国民に浸透するようにしてほしい」と注文した。
福島県の内堀知事は「福島県の復興はいまだ途上にあり、我が国の最優先課題だ。後任の鈴木五輪担当相には安倍首相が明言してる『閣僚全員が復興相』との意識を持って、被災地に寄り添った対応を期待したい」とのコメントを出した。
桜田氏は10日夜、衆院比例東北ブロック選出で岩手県出身の議員の都内のパーティーに出席。「(震災からの)復興以上に大事」と、支援を呼び掛けていた。