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米報復関税「発動なら同様の措置」、欧州委員

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欧州連合(EU)のマルムストローム欧州委員(通商担当)は10日、トランプ米大統領が航空機大手エアバスへの補助金を巡りEU製品に報復関税を課す考えを示したことを受け「発動されれば同様の(対抗)措置を講じる」と強調した。都内で日本経済新聞などの取材に語った。

トランプ氏は9日、EUによるエアバスへの補助金が不当だとして「110億ドル(約1兆2千億円)分のEU製品に関税を課すつもりだ」とツイッターに投稿していた。マルムストローム氏は米政府もエアバスのライバルである米ボーイングに補助金を与えているとして、報復措置に動く「権利がある」とも述べた。

米国との新たな通商交渉を巡り、EU側が最も懸念するのが米国が欧州車に最大25%の追加関税を課す事態だ。マルムストローム氏は5月中旬が期限となるトランプ氏の判断時期について「延期は容易だろう」との見方を示した。

そのうえで、追加関税が課される事態に至った場合には「報復措置を講じなければならない。(対象品目の)リストは準備済みだ」と米側をけん制した。

北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉でメキシコとカナダが受け入れた自動車の対米輸出数量規制を巡っても「管理貿易は受け入れない」と断言した。利害の一致する日本と対米説得などで協力したい考えも示した。

ただ、農産品保護を巡る加盟国の足並みの乱れからEUは米国との交渉日程さえ決められていない。マルムストローム氏は農業大国フランスなどの反対論を念頭に「一点の曇りもない」との表現で農産品は対米交渉の対象外というEU方針は不変だと説明した。

米政権は18年6月、EUの鉄鋼とアルミニウムに追加関税を発動した。EUは二輪車や農産品に報復関税を課した。同年7月の米・EU首脳会談では、自動車を除く工業製品の関税撤廃や米国産大豆や液化天然ガス(LNG)の輸入拡大に向けた交渉入りと引き換えに、米国が自動車関税の発動を棚上げすることで合意していた。

英国のEU離脱を巡っては、「今日機能しているものが、明日機能しなくなれば問題が生じる」と述べ、「合意なき離脱」の回避に向け英国側の努力が重要との認識を示した。仮に無秩序な離脱に発展した場合には「本来必要なほどには、加盟国の準備は整っていないかもしれない」との懸念を述べた。

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