サウジ国営石油、ドル建て起債1兆3千億円に上積み
【ニューヨーク=大島有美子】サウジアラビア国営石油会社サウジアラムコが9日、近く起債を計画しているドル建て債の規模を従来予定より2割上積みし、120億ドル(約1兆3千億円)としたことが分かった。米ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)など複数の海外メディアが伝えた。当初は100億ドル規模の予定だったが、初の外債発行で世界の投資家の発注が想定以上に集まり、発行規模を増やす。
JPモルガン・チェースとモルガン・スタンレーの米投資銀行2社が主幹事を務める。社債の期間は3年から30年で、5種類に分けて発行する。投資家からは予定発行額の10倍の1000億ドル超の発注を受けたという。
サウジアラムコが4月に初めて公表した財務諸表によると、2018年の純利益は1111億ドルと米アップルの2倍だった。世界に類を見ない高収益企業であることが明らかとなった。サウジアラビア政府はアラムコが調達した資金を武器に、「脱石油」をにらんだ産業の多角化に弾みを付けたい考えだ。
関連企業・業界