衆院2補選が告示 大阪・首相が応援へ 沖縄・野党議席死守狙う
衆院大阪12区と沖縄3区の両補欠選挙が9日告示され、21日の投開票に向けた選挙戦が始まった。与野党は夏の参院選の行方を占うとみて総力戦で臨む。自民党は大阪で大阪府知事・市長のダブル選に続く連敗を避けたい考えだ。野党は沖縄で米軍普天間基地の名護市辺野古移設を巡り改めて移設反対の民意を示す好機と位置付ける。
大阪12区は自民党の北川知克氏の死去に伴う選挙だ。4候補が出馬する。
自民党は新人で北川氏のおいの北川晋平氏を公認した。日本維新の会は新人の藤田文武氏を擁立した。旧民主党政権で総務相を務めた樽床伸二氏は無所属で立候補した。共産党は前衆院議員で無所属の宮本岳志氏を候補に立てた。
7日のダブル選はいずれも維新が制した。自民党は態勢の立て直しを急ぎ、安倍晋三首相が最初の週末となる13日、大阪を訪れて街頭演説に立つ方向だ。憲法改正などで維新の協力を期待する首相はダブル戦に距離を置き、党大阪府連内に不満もくすぶる。二階俊博幹事長は9日の党役員連絡会で「統一地方選の後半戦と合わせ党一丸となって勝利に向かって戦い抜きたい」と強調した。
沖縄3区補選は県知事に転出した玉城デニー氏が衆院議員を失職したのに伴う選挙で、与野党一騎打ちの構図だ。
自民党は島尻安伊子元沖縄・北方相を擁立した。立憲民主党や共産党など辺野古移設に反対する「オール沖縄」勢力が支持する新人の屋良朝博氏は無所属で出馬する。
沖縄3区は普天間基地の移設先の名護市辺野古を抱える。2月の県民投票では辺野古の埋め立て「反対」が有効票の7割を占めた。野党は補選も勝利し、移設反対の民意を明確にしたい考えだ。
自民党は県内の選挙で敗北が目立つ。党幹部も投入する方針で、9日は加藤勝信総務会長が訪れた。島尻氏は沖縄市の演説で辺野古移設について「苦渋の選択だ」と強調した。屋良氏はうるま市で「普天間は辺野古の自然を壊さなくても返還は可能だ」と訴えた。