北島康介、あえて黒子に 「水泳を一生の仕事に」
アスリート事業家の冒険(2)
近ごろはスーツ姿がもっぱらの北島康介が、めずらしく水着姿で現れた。昨年11月、東京辰巳国際水泳場。「KOSUKE KITAJIMA CUP」のメインイベントのレースには、2年半前に競技を退いていた北島も参加した。メドレーリレーをともに泳いだメンバーは、目立って豪華なものだった。
ドリームチームのメドレーリレー
背泳ぎはリオデジャネイロ五輪400メートル個人メドレー金メダルの萩野公介、バタフライは...
「現役終えたら、ただの人」。人生の半ばで選手生活を終えるアスリートたちは、そんなふうに揶揄(やゆ)されてきた。だが「セカンドキャリア」という言葉がスポーツ界にも定着した昨今、現役引退に前後して事業を興す者がめずらしくない。社会の貧困を解消するため起業する者、自らが半生をささげた競技の改革に乗り出す者……。活動のフィールドを変えながら戦い続ける彼らの挑戦を追う。