QDレーザ、視覚障害者向け眼鏡の開発に36億円調達
半導体レーザーを手がけるQDレーザ(川崎市)は8日、東京センチュリーなどの事業会社やベンチャーキャピタル(VC)から36億6000万円を調達したと発表した。
視覚障害者の視力を補助する眼鏡型装置の開発を進める。国内外で医療機器認証を取得したうえで製品化を目指す。
東京センチュリーやアクサ生命保険のほか、ニコンとSBIインベストメントが設立したファンドなどを引受先とする第三者割当増資を実施した。調達した資金で医療機器の認証を得るための試験を進めるほか、国内外での装置の販売を視野に入れた人材の採用に充てる。
QDレーザが開発中の装置は小型カメラで撮影した映像を微弱なレーザー光で目の網膜に直接投影する。角膜に異常のある重い障害や極度の近眼などの場合でも、網膜に問題がなければ映像が見えるという。医療機器認証を取得でき次第、生産体制を整える。
同社は菅原充社長が富士通研究所からスピンオフして2006年に創業したスタートアップ企業。12年にレーザーで網膜に映像を映す技術の研究を始めた。
(山田遼太郎)