統一地方選 大阪ダブル選は維新、北海道知事は与党系
第19回統一地方選は7日、11道府県知事選と6政令市長選など前半戦が投開票された。「大阪都構想」の是非を争った大阪府知事・市長のダブル選はいずれも大阪維新の会が当選した。唯一の与野党対決の構図となった北海道知事選は自民、公明両党が推薦した前夕張市長で新人の鈴木直道氏が野党統一候補の元衆院議員、新人の石川知裕氏を破り当選し、10道県知事を自民系が占めた。
大阪府知事選は大阪維新の会政調会長で前市長の吉村洋文氏が、与党が推す元副知事の小西禎一氏との一騎打ちを制し当選した。大阪市長選は維新代表で前知事の松井一郎氏が自民推薦の元市議、柳本顕氏を破り当選した。
ダブル選は、都構想を推進する維新と国政の与野党の立場を超えた自民中心の反維新勢力が対決した。知事選や市長選に加え、維新は7日投開票の府議選でも単独過半数の議席を得た。大阪市議選では過半数に届かなかった。都構想の是非を問う住民投票の実施に向けた動きを加速させるとみられる。松井氏は「丁寧な議論のうえに最終的に住民の判断をいただきたい」と強調した。
自民勢力が分裂した4県知事選のうち、福岡は現職の小川洋氏が新人で自民推薦の元厚生労働官僚、武内和久氏と共産推薦で新人の篠田清氏を破り3選した。島根は自民県議らが支援した新人、丸山達也氏が自民推薦で新人の大庭誠司氏らを抑え当選した。
徳島は与党が推す現職の飯泉嘉門氏が多選批判を掲げた新人の岸本泰治氏、共産新人の天羽篤氏を破り5選した。一方、福井は自民が推薦する新人で前副知事の杉本達治氏が現職の西川一誠氏と共産新人との戦いを制し当選した。
与野党相乗りの構図となった神奈川、奈良、鳥取の3県はいずれも現職が当選した。神奈川の黒岩祐治氏は3選、奈良の荒井正吾氏と鳥取の平井伸治氏はそれぞれ4選となる。三重県知事選は自民、公明が推薦する現職の鈴木英敬氏が共産推薦の新人を破り3選した。大分県知事選は現職の広瀬勝貞氏が共産と無所属の新人2候補との戦いを制し5選した。
今年は統一地方選と夏の参院選が重なる12年に1度の「亥(い)年選挙」となった。41道府県議選と17政令市議選も投開票された。与野党は参院選の前哨戦と位置づけ、地方での足場固めをめざして戦った。自民党の二階俊博幹事長は「県連が分裂したところは厳しい結果が出ている。今後の大きな反省材料だ」と参院選に向け組織の結束に取り組む考えを示した。
4年に一度の統一地方選。2019年は統一地方選と夏の参院選が12年に一度重なる「亥(い)年選挙」だった。