陸自宮古島駐屯地、南西防衛へ意義強調 防衛相が視察
岩屋毅防衛相は7日、陸上自衛隊宮古島駐屯地(沖縄県・宮古島)を初めて視察した。同駐屯地は、西太平洋への軍事進出を強める中国を念頭に、奄美駐屯地(鹿児島県・奄美大島)とともに3月末に開設された。岩屋氏は訓示で「宮古島駐屯地はわが国防衛の最前線だ。南西地域の防衛のための態勢が着実に整備されつつある」と意義を強調した。
訓示中に、開設に反対する市民から「自衛隊の配備を認めない」と批判を受ける一幕もあった。岩屋氏は視察後、地元への十分な説明がないまま同駐屯地に迫撃砲弾などの弾薬を保管していた問題について「反省し、今後はより丁寧に分かりやすく説明する」と記者団に述べた。
この問題を巡り、岩屋氏は7日、沖縄県宮古島市の下地敏彦市長、地元住民の代表者と面会し「説明が不十分だった。大変申し訳ない」と謝罪した。岩屋氏は2日の衆院安全保障委員会でも陳謝している。弾薬はいったん島外で保管されており、今後、駐屯地外の島内の弾薬庫へ移される。
宮古島駐屯地には、約380人態勢の警備部隊を配置。2020年以降にはミサイル部隊も配備し、計700~800人規模まで増強する。沖縄県・尖閣諸島を含む南西諸島では、近年、中国が空母「遼寧」を航行させたほか、爆撃機を通過させるなど軍事行動を活発化させている。〔共同〕