トウモロコシ先物が急落、需給緩みとトランプ氏発言
【ニューヨーク=後藤達也】国際商品市場でトウモロコシの価格が下落している。米農務省の報告書でトウモロコシの需給の緩みが意識されたほか、米国とメキシコの国境が封鎖されるとの思惑も出ているためだ。
3月29日のシカゴ市場ではトウモロコシ先物5月物は1ブッシェル3.565ドルと、前の日より4.67%下落した。期近物の下落率としては2016年6月21日以来、2年9カ月ぶりの大きさだった。
きっかけは米農務省が29日発表したトウモロコシの在庫水準と作付面積見通しだ。ともに市場予想を上回り、供給圧力が強まるとの見方が広がった。先週半ばまでは米中西部での洪水で供給が減るとの観測からトウモロコシが買われていた分、反動が大きくなった面もある。
トランプ米大統領のメキシコへの強硬な姿勢も影響した。トランプ氏は3月29日に「メキシコが不法移民を止めなければ、国境を長期間閉鎖する」と警告した。翌週にも実施する可能性が「非常に高い」とも発言。両国間で活発なトウモロコシの貿易が滞るとの思惑につながった。