無投票当選、中部3県議選の38% 愛知・岐阜は過去最多
中部3県(愛知、岐阜、三重)の県議選が29日告示され、計261人が立候補した。無投票で当選したのは76人で、前回2015年に比べ16人増えた。定数199人に占める比率は38%にのぼり、愛知と岐阜では無投票当選が過去最多になった。
愛知県議選(定数102)には、自民からは前回より1人多い61人が立候補。旧民進系の地方議員で構成する政治団体「新政あいち」の推薦候補も、41人と前回の旧民主(40人)と同規模だ。ただ全体では立候補者が138人と17人減り、55選挙区のうち無投票当選は26選挙区の41人に及んだ。いずれも過去最多だ。
岐阜県議選(定数46)では58人が立候補したが、前回より8人減った。自民が32人を立て、国民民主4人、共産3人、公明2人、立憲民主1人。無所属が7人少ない16人となった。26選挙区のうち16選挙区の22人が無投票当選し、11年の20人を上回り最多となった。
三重県議選(定数51)は17選挙区に65人が立候補し、このうち5選挙区の13人が無投票当選した。65人のうち、県議会の最大勢力の旧民進系が新政みえと三重民主連合の公認、推薦などを合わせて24人。単独過半数を目指す自民系は26人で双方の主導権争いが焦点。無投票は前回より3選挙区減り、志摩市と度会郡は12年ぶりの選挙戦となった。
●16年ぶりに無投票当選 名古屋市議選
名古屋市議選では03年以来16年ぶりに無投票当選が出た。定数5の北区で現職の全員が当選。無投票当選は1947年の市議選開始から4回目となる。
愛知学院大の森正教授(政治学) 無投票当選は政策への賛否表明といった有権者の選択肢が奪われる。選挙は民意を示せる貴重な機会。無投票当選が増えれば、選挙離れをますます助長してしまう。
無投票当選が増える背景のひとつに、立候補へのハードルの高さがある。愛知や岐阜の県議選は1人区が多く、現職や地盤がある人が有利だ。1人区は基礎自治体がベースだが、例えば広域の中選挙区制にするなどの見直しが必要だろう。