NATO事務総長、2022年まで任期延長
【ブリュッセル=森本学】北大西洋条約機構(NATO)の最高意思決定機関である北大西洋理事会(NAC)は28日、イエンス・ストルテンベルグ事務総長(60)の任期を、2022年9月末まで2年延長することで合意したと発表した。トランプ米政権と欧州各国の関係が国防費負担問題などを巡ってぎくしゃくするなか、橋渡し役としての役割が評価された格好だ。
前ノルウェー首相のストルテンベルグ氏は14年10月1日にNATO事務総長に就任した。通常の任期は4年だが、17年に20年9月末まで2年間の延長を決定。今回の再延長で8年に及ぶ任期を全うすれば極めて異例のケースとなり、歴代2番目の長さとなる。
ストルテンベルグ氏はロシアによるクリミア併合直後に事務総長に就任し、対ロシア抑止体制の強化を進めてきた。欧州各国の国防費の積み増しを求めるトランプ米大統領からの信頼も厚く、米欧の亀裂が指摘されるなか、調整役として奔走してきた。