4~5月に2万4000円試す(市場点描)
門司総一郎・大和住銀投信投資顧問・経済調査部シニア・エコノミスト
日経平均株価は4~5月をめどに2万4000円を試す展開になると予想する。米中貿易交渉の進展や、英国の欧州連合(EU)離脱の回避が材料になるだろう。世界経済の先行きに対する警戒感が広がっているが、第4次産業革命を推進する次世代通信規格「5G」の実用化などを背景に、IT(情報技術)企業には勢いがある。10月の消費増税を控えたポイント還元などの景気刺激策も、株高の材料となろう。
米中の貿易交渉は何らかの前向きな合意があるだろう。一段の景気減速を避けるため、中国は追加関税を阻止したいはずだし、2月下旬に開かれた米朝首脳会談が不発に終わっただけに、トランプ米大統領も強気に出にくい。逆に、米中貿易交渉がまとまらなければ、日経平均が2万円を割る展開もあり得る。
年末にかけては、20年の米大統領選挙を控えて上値が重くなりそうだ。トランプ氏が再選しなければプラスだが、野党・民主党にも急進的な主張を掲げる候補がおり、不安材料になる。