新北本連系線が開通、北海道電「電力安定供給の布石」
北海道電力は28日、北海道と本州を結ぶ電力容量30万キロワットの緊急送電線「新北本連系線」を開通した。2014年の着工から5年が経過し、総工費は約600億円。18年9月に発生した全道停電は、既設の北本連系線の容量が小さかったことが一因とされる。藤井裕副社長は北斗市内で開いた開通式後、「電力安定供給の大きな布石になる」と語った。
新北本連系線の開通は停電防止だけでなく、道内での再生可能エネルギーの普及にもつながると期待されている。天候などによって再生エネ設備の出力が不安定になっても、本州との電力融通で道内の送電網にかかる負荷を軽減できるためだ。藤井副社長は「再生エネの導入拡大に寄与できる」と強調した。
一方で、北電の経営に影響を与える可能性もある。既設の北本連系線で本州から道内に流入する電力量は年々増加している。本州の新電力が道内に販売攻勢をかけているためだ。新北本連系線の開通で流入量は一段と増えるとみられ、北電にとっては「もろ刃の剣」とも言える。