経産省が人手不足対策要請へ コンビニ、省力化急ぐ
経済産業省は26日、コンビニエンスストア大手4社に対してフランチャイズチェーン(FC)加盟店の人手不足といった経営課題を解決するための行動計画をつくるよう要請すると明らかにした。同日公表したFC加盟店オーナーへのアンケート調査で、店舗の経営環境が悪化している現状が明らかになったため。大手各社は店舗運営の一段の省力化や加盟店支援の拡大が求められそうだ。
世耕弘成経済産業相が同日の閣議後に開かれた記者会見で「国民の生活インフラであるコンビニの持続性の観点から問題だ」と述べた。
世耕氏は4月にもコンビニ4社のトップを集めて、計画策定を要請する考え。経産省は任意の要請だと説明している。まず店舗の無人化など企業の自主的な取り組みを促す。
国の動きに対して、セブン―イレブン・ジャパンは「省力化の取り組みを進めていく」とした上で、「加盟店1店1店と緊密にコミュニケーションを取って課題の解決に向けて話し合っていきたい」とコメントした。ローソンは「加盟店と協力しながら問題点を解決していく」という。
コンビニでは人手不足や人件費の上昇の負担が加盟店に集中し、オーナー側から24時間営業の見直しを求める声が上がっている。加盟店の負担軽減に向けた省力化が急務で、ファミリーマートは4月2日、横浜市でパナソニックと組んで顔認証技術を使った決済などを取り入れた次世代コンビニの実験店を開く。セブンは3月4日、省人化店舗などを研究する組織を立ち上げた。
FC加盟店向け調査は、経産省が2018年12月から19年3月にかけて実施した。コンビニ8社のオーナー約3万人を対象に、経営の現状などを聞いた。回答率は4割弱。調査結果では「従業員が不足している」と答えたオーナーが前回の14年度調査では約2割だったが、6割にまで増えた。
FCに加盟したことを満足しているかとの質問には「大変満足」「おおむね満足」との回答が5割程度で、前回の7割から減った。経産省では今後もコンビニの経営環境についてオーナーへの調査を実施していく方針だ。
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