国立歴史民俗博物館が「先史・古代」展示を見直し
国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)は第一展示室「先史・古代」展示をリニューアルオープンした。1983年の開室以来の大規模な改修で名称も「原始・古代」から変更。日本列島に人類が現れた3万7000年前から、10世紀の中世までを対象にした。
展示は「最終氷期に生きた人々」「多様な縄文列島」「水田稲作のはじまり」「倭(わ)の登場」「倭の前方後円墳と東アジア」「古代国家と列島世界」と2つの副室「沖ノ島」「正倉院文書」の8つのテーマで構成。これまでなかった旧石器時代のコーナーも新設した。オープンから36年を経て発掘調査が進み、科学技術も大幅に進歩した。そのため、これまでの歴史観と比べて、土器の出現は約3500年、水田稲作は約500年遡っている。久留島浩館長は「韓国との協力により、明らかになった事実もある。最新の研究成果を踏まえた展示になった」と話す。
縄文から弥生への移行期の解説に重点を置き、どう生活や文化が移り変わったかを示す。これまで本州、九州、四国に偏りがちだったのを見直し、北海道や沖縄、奄美などを充実した。複製品を多く展示したのも特徴だ。担当した藤尾慎一郎教授は「銅鐸(どうたく)は実際にどんな色をしていたのかなど、当時の人々の生活を感じてもらいたい」。
(赤塚佳彦)