BYD、日本で新EVバス 24年に1000台
中国の電気自動車(EV)最大手である比亜迪(BYD)の日本法人、ビーワイディージャパン(横浜市)は25日、新たな小型EVバスを日本市場に投入すると発表した。国内の小型EVバスとして航続距離は最長となるという。同日から予約を受け付け、中国で製造し、2020年春から納車する予定。24年までに1000台の販売を目指す。
新型車は全長7メートル、車幅2メートル、車高3メートル。地方の細道でも走れるように小回りの効く大きさにした。1回の充電は3時間で済み、航続距離は従来車より1.3倍の200キロとなった。
一般的なEVバスの価格は1億円台とされ、高い価格が課題になっていた。新型車は税抜き1950万円と購入しやすい価格帯に設定した。
BYDグループは、世界50カ国・地域で5万台のEVバスを納めている。日本では15年に京都市でEVバスを納車後、4つの自治体で計21台の大型・中型のEVバスを納品している。
日本車メーカーでは20年の東京五輪で、トヨタ自動車が燃料電池車(FCV)のバスやEVなど3000台を走らせる計画で開発を進めている。また日野自動車が12年にEVバスを販売し、東京都羽村市が導入した。
世界では二酸化炭素(CO2)や排出ガスの環境規制が厳しくなっており、自動車メーカーは環境対応が求められる。だが主要な日本車メーカーはEVバスの開発に消極的な姿勢のままだ。
ビーワイディージャパンは緊急時に運転手が操作する「レベル3」の自動運転機能を後付けできる製品も、20年に販売するという。日本で導入済みのEVバスや今後販売の小型EVバスに搭載可能で、自動運転バスでも先陣を切りたい構えだ。
25日に都内で記者会見した同社の花田晋作副社長は、主力の乗用車を日本市場に投入することに関し、「EVの市場規模が小さく、日本での展開はない」と強調。他の日本車メーカーとの提携も「求めがあれば、そのような出会いもある」とした。最後に「交通弱者の高齢者が増え、地方では路線バスの需要が増える。低価格でEVを普及し、電動化社会を進めたい」と話していた。