シャンゼリゼでのデモを禁止 パリ警視庁、「黄色いベスト」の暴徒化受け
【パリ=白石透冴】パリ警視庁は22日、反政権デモ「黄色いベスト」の暴徒化と被害を防ぐため、23日は観光名所シャンゼリゼ通りなどでのデモを禁止すると発表した。南仏ニースなどでも相次いで禁止が発表された。マクロン政権は厳戒態勢で臨む構えだが、反発する参加者との衝突でけが人が出る恐れも指摘される。
パリ警視庁の発表によると、23日は凱旋門、大統領府、国民議会(下院)近くでもデモを禁止する。デモをしない場合でも、武器となり得るものを持ち込むことを認めない。
他の場所ではデモを実施できるが、ガソリンなど可燃性の液体やマスクなど顔を特定されないための物品を持って参加することは禁じる。
毎回デモが起きる南部トゥールーズや南西部ボルドーでも、現地当局が一部の区域や時間帯でのデモを禁じた。禁止区域でデモに参加した場合の罰金は、従来の38ユーロ(約4700円)から135ユーロに既に引き上げられている。
パリで大きな被害が出た前回16日のデモを受け、フィリップ首相は18日にデモの強制解散などを含む措置を発表した。長引く反政権運動による投資の鈍化など経済への悪影響を懸念しており、デモが始まった2018年11月以来、今週末は最も厳しい対策を取る。
黄色いベストは当初、仏政権の燃料増税などに反対していた。だがネットで運動が広がるにつれ「マクロン大統領の辞任」「富裕層へのさらなる課税」などと要求が拡散している。