紀平4位、冒頭三回転半決めフリー2位と巻き返す
SPで1回転半になったトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)。修正を誓っていた紀平だが、朝の練習でもはまらない。「やるしかない」と吹っ切れたのは、6分間練習になってからだ。
冒頭のトリプルアクセルを成功、直後に跳んだ2本目は転倒したものの回転不足はとられなかった。後の要素はそつなくまとめて演技を終えた。
「まあ、よかった」。演技直後、紀平は顔をしかめつつこう振り返った。「まあ」は2つめのトリプルアクセルを転倒したこと、「よかった」は全体的な演技の感想を意味するそうだ。だから「何とか(3回転半)回り、頑張ってしのげたのですごく満足している」とも話した。
ここまで国際大会全勝で世界選手権を迎えた。「プレッシャーはなかった。ただ、大会に入る前の準備でバタバタしてしまった」。浜田コーチによると、スケート靴のエッジ調整に手間取り、ウオーミングアップの仕方も日によってマチマチだったという。「ホテルが遠いとか、(アクシデントがあると)行き当たりばったりで慌てる。力はあるのに」と浜田コーチ。
準備不十分なまま試合を迎え、SPで出遅れた。「本当に(浜田)先生に心配かけて、多くの人に迷惑をかけた。それに感謝したい思いで滑った」結果が、フリー2位に結実した。
初出場4位はシニア1年目としては上出来だ。「70%くらい頑張ったと思う」。来季はSP、フリーともに波のない、安定したシーズンを目指したいそうだ。(原真子)