金正恩氏の側近、モスクワ入り 韓国報道
【モスクワ=小川知世】韓国の聯合ニュースは21日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長の側近で「執事」と呼ばれるキム・チャンソン国務委員会部長が19日からモスクワを訪問していると報じた。金正恩氏のロシア訪問とプーチン大統領との首脳会談に向けた調整が目的の可能性がある。米朝の非核化協議が膠着するなか、北朝鮮はロシアへの接近を試みている。
インタファクス通信によると、ペスコフ大統領報道官は21日、キム・チャンソン氏訪ロの報道について「コメントしない」と述べるにとどめた。
ロシアは昨年から金正恩氏の訪ロを要請していたが、実現していない。2月末の米朝会談が事実上決裂したのを受け、北朝鮮はロシアとの関係を強化して米国から譲歩を引き出したい考えとみられる。14日には北朝鮮の任天一外務次官がモスクワでモルグロフ外務次官と会談し、ロ朝間のハイレベルの接触について協議したとしている。
ロシアは対北制裁の緩和や多国間での非核化協議の必要性を訴えてきた。米朝双方に交渉の継続を促す一方で、朝鮮半島への影響力確保に向けて議員団の訪朝など交流を活発化している。米朝の仲介役として立ち回り、米ロ関係改善の糸口を探る思惑もあるとみられる。
金正恩(キム・ジョンウン)総書記のもと、ミサイル発射や核開発などをすすめる北朝鮮。日本・アメリカ・韓国との対立など北朝鮮問題に関する最新のニュースをお届けします。