北海道知事選、与野党一騎打ち 復興やIR誘致争点
任期満了に伴い統一地方選で実施される北海道知事選が21日告示され、いずれも無所属新人で、元衆院議員の石川知裕氏(45)と前夕張市長の鈴木直道氏(38)の2人が届け出た。各陣営は2018年9月の北海道地震で大きな被害を受けた胆振地方東部の3町で選挙戦をスタート。4月7日に投開票される。
道知事選は全国で唯一の与野党一騎打ちの構図となる見込み。地震からの復興、カジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致や人口減少対策などが主な争点となる。
自民、公明両党が推薦する鈴木氏は安平町の公民館前で第一声を上げた。鈴木氏は集まった町民らを前に「3町と緊密に連携をとって1日でも早い復旧復興に全力で取り組む」と述べ、被災地の支援に手厚く取り組む考えを強調した。直面する人口減少を解決するため、北海道にゆかりのある道内外の経済人などからお金を募る政策を掲げ「笑顔あふれる北海道の未来を切り開いていきたい」と訴えた。
自民党の甘利明選挙対策委員長や橋本聖子参院議員会長、公明党の斉藤鉄夫幹事長、新党大地の鈴木宗男代表など、各党幹部がこぞって応援に駆けつけた。鈴木氏は急増する訪日客の取り込みや道産食材のブランド力強化、移住促進などの政策を掲げている。8年間の夕張市長の実績をアピールしていく。
立憲民主、国民民主、共産、自由、社民の野党5党が推薦する石川氏は厚真町役場前で第一声を上げた。集まった地元住民らに「被害の大小に関わらず国と道が支援をしていくことが本当の復興のあり方。被災地の復興に全力を傾けていくことを約束する」と力を込めた。
21日に出陣式を開かず、土砂災害による犠牲者が出た同町吉野地区で献花をしてから第一声に臨んだ。同町の宮坂尚市朗町長が応援に駆けつけた。石川氏は道内の有識者らを集めた大規模な会議を年1回開き、直面する課題を議論する仕組みを提唱している。IRの誘致には反対の考え。JR北海道の路線見直し問題については「あらゆる手段を尽くして鉄路を残していく」と訴えた。
4年に一度の統一地方選。2019年は統一地方選と夏の参院選が12年に一度重なる「亥(い)年選挙」だった。