オランダ発砲事件、3人殺害の容疑者逮捕
【ブリュッセル=森本学、イスタンブール=佐野彰洋】オランダ中部の都市ユトレヒトで3人が犠牲となった発砲事件で、地元警察は18日夜(日本時間19日未明)、容疑者として行方を追っていた男を逮捕したと発表した。トルコ国営アナトリア通信は「家族間の争い」が理由だったとする男の親族の話を伝えたが、オランダ当局はテロの可能性も排除できないとしている。
ユトレヒト警察署長が18日夜の記者会見で容疑者の逮捕を発表した。実行犯は発砲事件後に車で逃走。地元警察は容疑者として37歳のトルコ生まれの「ギョクメン・タヌシュ」という名前の男の写真を公開して、行方を追っていた。地元警察は事件に関与した疑いで、もうひとり別の男も逮捕した。
市内を走るトラムを襲った18日の発砲事件では3人が死亡し、5人が負傷した。トルコ国営アナトリア通信はトルコ生まれの容疑者が「家族間の争い」を理由に親族を撃ち、助けに入った乗客らにも発砲したと別の親族の話として報じた。オランダの複数のメディアは、男が電車の中で一人の女性を標的とした後、彼女を助けようとした他の人たちを撃ったという目撃者の証言を紹介した。 ただ、オランダの警察当局によると、詳しい動機はなお不明で、テロも含めてあらゆる可能性を視野に入れて捜査を進めているという。
AP通信によると、オランダのフラッパーハウス司法・治安相はタヌシュ容疑者には過去に犯罪歴があることを当局が把握していたと認めた。現地メディアによると、殺人未遂など複数の前科があり、2週間前には性的暴行事件を巡って裁判所に出頭していたという。