日銀、九州沖縄の景気判断2年10カ月ぶり引き下げ 3月
日銀福岡支店は18日、3月の九州・沖縄の金融経済概況を発表した。景気の基調判断は「緩やかに拡大している」として2年10カ月ぶりに引き下げた。米中貿易摩擦などに伴う中国景気の減速や、スマートフォン(スマホ)の販売が端境期にあることで、電子部品や汎用機械の輸出が弱含んでいることを反映した。
宮下俊郎支店長は記者会見で「九州・沖縄の経済は全国より半歩良い状況だったが、現状の水準は優位とは言えない」と指摘。「ある程度の期間をとっても(基調の)ベクトルが下がっている」と引き下げの理由を説明した。
項目別では、輸出と生産を「高水準で推移している」から「総じてみると弱めの動きとなっている」に引き下げた。中国の景気減速や、スマホの販売が一巡したことで、中国や韓国向けに汎用機械や電子機器の輸出が減速していることなどが背景にある。
一方、個人消費や住宅投資など、他の項目の判断は据え置いた。「(百貨店などで)暖冬の影響はみられたが、所得から支出への前向きなメカニズムが働くことで、消費は緩やかに増加している」(宮下支店長)
先行きについては「緩やかな拡大が続いていくことが期待される」とした。スマホの販売サイクルの好転や中国当局による景気刺激策に対する期待感から、現状より「さらに厳しくなるという話は聞かれていない」(同)という。
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