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イチロー、まだまだレジェンドにならないで

編集委員 篠山正幸

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メジャーの日本開催試合で7年ぶりに凱旋したマリナーズ・イチローは相変わらず、とんがっていた。希代のバットマンも45歳。いつか「そのとき」がやってくるのは覚悟しなければならないが、イチローらしいサプライズへの希望もわいてくる。

16日、東京ドームで調整したイチローは打撃練習中に右翼の守備につき、背面キャッチを披露した。スタンドにお客がいないのが惜しまれた。

とんがった感じに安堵感

イチローは健在――。だが、その数十分前、記者会見に臨んだイチローに厳しい質問が飛んでいた。

「どうやったら引退するときとわかるのか」。2018年、1年試合に出ないと決め、マリナーズの会長付特別補佐という肩書になっていたイチローが、事実上の引退状態にあるという認識に立った質問のように聞こえた。

イチローは「いつわかるか、僕にもわからない」と答え「こういう質問に慣れていない」と混ぜ返した。

会見の冒頭ではアスレチックスとの開幕戦に向け、早くチームメートの観光気分をなくしたい、とも語った。

野球に対して一切妥協のない姿勢は、時に味方選手をもぴりぴりムードに巻き込んできた。やはりイチローはイチロー。とんがった感じに安堵感を覚えた。

「『頑張りますので、これからも応援よろしくお願いします』とは絶対にいいません」と語ったのは15年1月、マーリンズ入団会見でのことだった。

イチローの「スターとはかくあるべし」という哲学が表れた言葉だった。こちらから頭を下げなくても、目を向けられる存在。黙っていても人がついてくる選手。そうでなくなったらプロでいる意味すらない、という意思がうかがえたものだった。

「打てなくてごめんなさい」は通用しない、言い訳無用の世界。この厳しさと正面から向き合えたのがイチローの強さであり、膨大な量の安打を生み出す源泉となった。

日本でブレークして間もなく、イチローは先がとがったスナック菓子のCMに起用され「とんがっておいしい」のセリフで売っていた。振り子打法から何から新しく、先鋭的な感じがよく表現されていた。あのとんがり感は、年齢の壁があって、やっと移籍先が決まった4年前も変わりなく、そして今も保たれている。

一方、16日の会見では厳しい現実と向き合う姿もうかがえた。

イチローといえども1年のブランクを克服するのは容易でなく、オープン戦では調子が上がらなかった。「当たり前のように結果を出し、当たり前のようにここ(開幕戦の場)にいる状況をつくりたかった。実際は(そう)ならず、大変苦しんだ。キャンプの結果を踏まえたら、ここにいることはありえない」と、率直に話した。

デビュー当時からイチローをウオッチしてきた野球評論家の権藤博さんは「試合に出ることを想定して練習するからこそ緊張感が出る。試合に出ないと決まっていながらやる練習で、レベルを維持するのは難しい」と指摘する。

「称号」を断固として拒否

引退の時期はわからないとしつつ、イチロー自身、意識しないわけにはいかないようだ。「12年のシーズンにニューヨーク(ヤンキース)へトレードとなり、それからは毎日その日、その日を懸命に生きてきた。マイアミ(マーリンズ)でも同じ。メジャーは厳しい世界で、いつチームから(解雇などの)通達がくるかわからない」

ヤンキースに移ってからは毎日試合に出て当たり前、という環境が一変した。マーリンズでは代打で控える日々が続いた。安打という「空気」を吸って生きてきた人にとって、どれだけつらい日々だったか、想像もできない。いや応なしに、いつか区切りのときがくることは頭の片隅に置かざるをえなかったことだろう。

「(日本での開幕シリーズを)1週間後にはもう振り返ることになる。一瞬一瞬を刻み込みたい」とイチローは話した。いま、この場にいることは自分にとっての「大変大きなギフトだということです」とも。言葉の端々にドキドキさせるものがあった。

現実を見据えないわけにはいかないが、アスレチックス戦で複数安打を記録し、大復活のサプライズ、とはいかないものだろうか。

「レジェンドって何か変な感じですよね。よく最近聞きますけれど、ばかにされたみたいな感じがする」と話したのは16年、メジャー通算3000安打を記録したときのことだった。いよいよレジェンドの仲間入りだが、との質問に答えたもので、「終わった人」のニュアンスのある「称号」を断固として拒否したのだった。

まだまだレジェンドにならずにいてほしいものだ。

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