モスク銃撃「6分続く」 NZに恐怖と悲しみ
【クライストチャーチ=共同】「人々が次々と倒れていくのを見た」。「犯人は50回以上、銃を撃っていた」。ニュージーランドのクライストチャーチのモスク(イスラム教礼拝所)で15日に発生した銃乱射事件。地元メディアは銃撃がモスクで6分間にわたって続いたと伝えた。国中が恐怖と悲しみに包まれた。
地元メディアによると、事件現場となったモスクの1つは当時、礼拝に訪れた約200人でいっぱいの状態だった。モスク内にいた少年(14)は「まだ震えている」とおびえた様子。近くの路上で子供が倒れているのを見たと話す目撃者もいた。
別の男性によると、犯人は外にいる人を銃撃後、モスクに侵入し、祈りをささげるため最前列にいた男性の側にやって来て「無差別に銃撃した」。犯人が3度、弾を入れ替える音を聞いたが、窓から建物の外に脱出し、命拾いしたという。
生存者の1人で、1998年からニュージーランドに定住しているという男性は「こんなことが起きるなんて想像したこともなかった」と驚きを隠せない様子だった。
悲痛な表情で記者会見したアーダーン首相は、標的になった移民や難民について「ニュージーランドを自分の国として選んだ。ここは彼らの国だ」と訴えた。
当局は、しばらくの間、モスクに行かないよう市民に警告。現場周辺では道路が封鎖され、警察官らが警戒する姿が見られるなど、物々しい雰囲気となった。