NY金先物が乱高下 英のEU離脱延期巡り
金の国際価格の振れ幅が大きくなっている。英議会が日本時間15日未明、欧州連合(EU)からの離脱の延期をEUに求める政府動議を可決。「合意なき離脱」による経済混乱のリスクが後退したとして一度は下落した。その後は離脱の方向性に不透明な要素が残るとの見方から、再び買われている。
指標のニューヨーク先物は、日本時間15日時点の時間外取引で1トロイオンス1290ドル台と前日の終値比で1%程度下げた。その後1303ドル前後まで戻すなど値動きが荒い。
市場では今後の離脱方針を巡り混乱への警戒感が依然として残る。世界の金上場投資信託(ETF)が価値の裏付けとして保有する現物の残高は足元で1726トン前後。1月下旬から減少傾向にあったが、この数日で5トン程度増えた。野村証券の大越龍文氏は「先行きの不透明感から安全資産としての一定の需要増が読み取れる」と指摘する。リスクへの警戒感が当面の金価格を支えそうだ。