スパイ強要「絶対しない」 中国首相の会見要旨
中国の李克強(リー・クォーチャン)首相の15日の記者会見での主な発言は以下の通り。
【米中関係】両国は共通の利益が大きい。米中関係の安定は双方だけでなく世界にとっても利益だ。米中貿易協議は止まっておらず、継続している。相互に利益をもたらす成果を希望しており、世界が期待していると信じている。
両国の経済は「あなたの中に我あり、私の中に君あり」と言ってもよく、米中の経済を引き離そうとしても不可能だ。対抗よりも協力すべきだ。
【華為技術(ファーウェイ)を巡る問題】中国政府が中国企業に他国の情報の監視を求めているかの問いに答えると、中国の法律に適合しておらず、中国のやり方でもない。現在もしていないし、将来も絶対にしない。
【北朝鮮の非核化】ハノイの米朝首脳会談後、双方は接触を継続すると表明した。接触することは接触しないことよりも良い。我々は我慢強く対話を推進しなければならない。朝鮮半島の非核化を支持する立場に変化はない。朝鮮半島問題の解決は南北だけでなく、地域や世界にとってメリットがある。
【日中韓関係】日中韓サミットでは自由貿易協定(FTA)の推進が議題に含まれるはずだ。世界で保護主義が台頭するなかで、全面的でレベルの高い互恵的な協定で合意すれば、三方にとってメリットがある。
【中国経済】今年は不確実な要素が少なくないが、政策の余地を残している。どんな状況が発生しても、すぐに対応して安定成長を持続する。中国経済は世界経済の安定成長の重要な碇(いかり)になる。
企業への毎年1兆元(約17兆円)の減税などは経済の下押し圧力が高まることへの重要な鍵となる対策だ。財政の持続可能性については計算している。「水を放出して魚を育てる」ということだ。当初は財政収入が減少するが、その後に財政収入は増加する。
(北京=多部田俊輔)