報告書作成過程に問題なし 厚労省官房長
厚生労働省の定塚由美子官房長は15日の参院予算委員会で、毎月勤労統計の不正調査問題を巡り、同省の特別監察委員会がまとめた追加報告書の作成過程に問題がないとの認識を重ねて示した。報告書をまとめる際のヒアリングで隠蔽の有無を職員に直接尋ねていたとしても「(組織的な隠蔽はなかったとの)評価や判断が変わるものではない」と語った。
監察委の樋口美雄委員長は6日の参院予算委で、隠蔽の有無を職員に直接尋ねていないと明らかにしていた。定塚氏は樋口氏の話として、隠蔽の意図は直接的な質問ではなく「問題の行為に至る経緯や動機などを丹念に積み上げていくことで確認」したと説明した。立憲民主党会派の小西洋之氏への答弁。
国民民主党の川合孝典氏は、樋口氏が厚労省所管の独立行政法人「労働政策研究・研修機構」の理事長を務めており、監察委の第三者性が疑われると指摘した。根本匠厚労相は「元高裁長官、弁護士らの有識者のみで構成され、委員会の主体的な判断のもと合議制で運営されている」と述べ、中立性は保たれていると強調した。