ロシア、シリア北西部の過激派拠点を空爆
【モスクワ=小川知世】ロシア軍は13日、シリア反体制派の最後の主要拠点、北西部イドリブ県で過激派組織の武器保管庫を空爆した。インタファクス通信がロシア国防省の話として伝えた。同県は昨年にロシアとトルコが非武装地帯(DMZ)の設置で合意した。ロシアはトルコと調整した上で空爆したとしており、過激派掃討へ勢いを強める可能性がある。
国防省によると、空爆で国際テロ組織アルカイダ系の武装勢力が武器や弾薬を保管する倉庫を破壊した。シリア国内のロシア空軍基地を攻撃するためのドローン(小型無人機)が大量に運び込まれたとの情報を複数の筋から得たという。ロシアによるイドリブ県空爆は数カ月ぶりとみられる。空爆が武装勢力が支配する同県の複数の地点であったとの報道もある。
シリアではロシアが軍事支援するアサド政権が反体制派一掃に向けてイドリブ県の奪還を目指している。難民流入を懸念する隣国トルコはアサド政権による総攻撃に反対し、昨年9月にロシアからDMZ設置で合意を取り付けた。ただその後も過激派が支配を広げ、ロシアが過激派掃討が必要との主張を強めていた。