島忠、さいたま市に健康テーマの新店 家族連れ多く
家具・ホームセンターの島忠は今月、健康をテーマとした新型店をさいたま市にオープンさせた。1階は家具とホームセンターの複合店舗が入り、2階には健康的な食事メニューの提供で知られる「タニタ食堂」やフィットネスジムなど健康関連の専門店を集めた。特色を前面に打ち出した店舗で地域住民の関心を高め、幅広い顧客層を取り込む。
新店の「ホームズさいたま中央店」は1日、JR大宮駅西口から徒歩10分の旧さいたま赤十字病院跡地にオープンした。島忠の既存店は1階がホームセンター、2階が家具売り場という業態が多いが、この店舗では1階に融合。1階の一画には鮮魚専門店「角上魚類」や精肉、青果売り場も入り、日用品や食料品が1階ですべてそろうようにした。
最大の特徴は健康をテーマとした2階の「HEALTH MALL(ヘルスモール)」だ。埼玉県内初出店となるタニタ食堂はカロリーや塩分を抑えた健康的な定食メニューのほか、「武蔵野うどん」をアレンジした「カレー肉汁うどん」も提供。希望者に管理栄養士が健康に関して助言するカウンセリングルームも設けた。
フィットネス大手のセントラルスポーツのジムやサーキットトレーニングができる女性専用のスタジオ、自分に合った寝具を試しながら選べる専門店も2階に出店。医療機関や薬局なども入り、この地域に多い家族連れや高齢層の健康増進をフロア全体で後押しできる構成とした。
開業後、2度の週末を迎え、客足は順調だという。「30~40歳代の家族連れが格段に増えた。これまでの店舗では十分に取り込めていなかった客層にも支持してもらっているという実感がある」(同社)。
国内市場の縮小や小売業の競争激化でホームセンター業界を取り巻く環境が厳しさを増すなか、島忠は既存の店舗イメージを一新する「ライフスタイル提案型」の売り場づくりを進めている。さいたま中央店は、2018年12月にブックカフェを融合して開業した横浜市の店舗に次ぐ新業態店舗だ。今後も地域の需要や市場動向を見極めつつ、新たな店舗を展開する方針だ。
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