三井化学、新潟県三条市に新拠点 成形品を提案
三井化学は新潟県三条市に新製品を試作し顧客に提案するための拠点を開設した。子会社で金型製造を手掛ける共和工業(三条市)の本社隣接地に、3億円を投じて建屋を建設。樹脂などの材料を成形品に加工し、新たな使い方を提案する拠点とする。自動車や医療など成長分野の顧客を取り込むために、樹脂の用途開発を急ぐ。
11日に「デザイン&ソリューションセンター」を開設した。敷地面積は2700平方メートルで、センターの人員は約10人。設計や成形、試作、評価などの機能を備える。これまで三井化学では材料そのものを顧客に提案することが多かったが、材料を成形品に加工して提案することで、新たな需要の掘り起こしや新規顧客の開拓につなげる。
三井化学は14年に共和工業を買収。成形品を開発、評価する際に共和工業の金型ノウハウを生かすため、三条市にセンターを開設することを決めた。
例えば、自動車分野では、従来よりも樹脂を使用する範囲を増やし軽量化したバックドアなどを提案していく。顧客とも議論し試作、評価を繰り返しながら、ニーズに合わせた製品を開発する。
三井化学の福田伸・研究開発本部長は「創って魅(み)せる、をコンセプトにしたものづくりセンター」と位置付ける。デザインや設計の段階から顧客の意見も取り入れていく。
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