国内最古級、獣脚類恐竜 徳島・勝浦町の化石
徳島県立博物館(徳島市)は12日までに、同県勝浦町の白亜紀前期(約1億3千万年前)の地層から恐竜「獣脚類」の左すねの骨と歯の化石が見つかったと明らかにした。獣脚類はほとんどが肉食恐竜といい、獣脚類としては国内最古級で、中四国で見つかるのは初めて。
すねの骨は長さ約19.5センチ、幅約3センチ。先が5センチほど欠けているとみられる。同町ではこれまで草食恐竜の鳥脚類や竜脚類の化石が見つかっており、県立博物館が中心となって昨年11~12月に発掘調査を実施。獣脚類の骨のほか、竜脚類の歯1点やカメの甲羅21点など合計47点の脊椎動物の化石が見つかった。
すねの骨は福井県立恐竜博物館でCTスキャンなどを使って鑑定し、獣脚類と特定。同館の東洋一特別館長は「すねの骨の長さから推測すると、体長2メートルくらいの小型の恐竜ではないか」と話している。獣脚類の歯は昨年春に見つかっていたが、鑑定の結果、今年2月に特定できた。
東特別館長は「今後の発掘で化石や足跡が見つかれば、恐竜の移動の道筋が見えてくる」と期待を寄せた。
今回見つかった化石はゴールデンウイークに徳島県立博物館で展示される予定。〔共同〕