金正恩氏は含まれず 北朝鮮国会代議員選の当選者
【ソウル=恩地洋介】北朝鮮の朝鮮中央放送は12日、10日に実施した最高人民会議(国会に相当)代議員選挙の当選者名簿を読み上げ、687人が当選したと報じた。2014年の前回は金正恩(キム・ジョンウン)委員長が初当選したが、今回の名簿には含まれておらず、立候補しなかった可能性が高い。指導体制の改編を準備しているとの観測が出ている。
ラヂオプレスによると、金正恩氏は12年の最高人民会議で代議員に選ばれ、14年の選挙でも選出された。韓国統一省によると、故金日成主席、故金正日総書記の時代を含めて北朝鮮の最高指導者が代議員に選ばれなかったのは初めて。同省関係者は「具体的な背景については、今後の観察が必要だ」と語った。北朝鮮メディアは今回、金正恩氏が立候補しなかった理由に触れていない。
専門家の中には「最高人民会議の運営体制を見直す可能性がある」との見方がある。4月に開かれる最高人民会議で新たなポストや制度改編が決まることも考えられる。脱北した元北朝鮮外交官は「代議員を外れても、最高指導者の地位に影響はない」と指摘している。
報道によると投票率は99.99%で、100%が信任投票への賛成票を投じた。当選者には妹の金与正(キム・ヨジョン)氏や、2回目の米朝首脳会談に同行した李容浩(リ・ヨンホ)外相、崔善姫(チェ・ソンヒ)外務次官とみられる名前も含まれている。
金正恩(キム・ジョンウン)総書記のもと、ミサイル発射や核開発などをすすめる北朝鮮。日本・アメリカ・韓国との対立など北朝鮮問題に関する最新のニュースをお届けします。