リッポー中核企業、CEOに創業者の孫
インドネシア大手財閥
【ジャカルタ=鈴木淳】インドネシアの不動産大手、リッポー・カラワチは12日、創業者モフタル・リアディ氏の孫のジョン・リアディ氏(33)が最高経営責任者(CEO)に就任したと発表した。同社はジャカルタ郊外の大型開発計画を巡り贈収賄疑惑などが浮上している。前任のCEOは創業家以外の人材が担っていたが、親族が直接関与することで経営を立て直す狙いがある。
リッポー・カラワチは大手財閥リッポー・グループの中核企業で、インドネシア証券取引所に上場している。ジョン氏はリッポーのモフタル会長(89)の孫で、米コロンビア大学の法科大学院を卒業後、グループのデジタル事業などを統括していた。
取締役をほぼ全員入れ替えたほか、監査役も全員交代した。ジョン氏の叔父で、リッポーの海外事業を統括するスティーブン・リアディ氏も監査役に名前を連ねた。創業家が経営に直接関わることで、意思決定を速くして経営改革を進める。
リッポー・カラワチは12日、最大10億ドル(1100億円)を調達すると発表した。借入金の返済や不動産開発に活用する。資金の一部はホテルやショッピングモールなどの資産を売却して調達する。
リッポーはジャカルタ郊外で大規模都市開発計画「メイカルタ」を進めている。2兆円を超える大型計画だが、計画は順調とはいえない。リッポー関係者が開発区画の一部の建設許可を得る見返りに、地元首長に金銭を渡した贈賄罪で立件されるなど、トラブルも発生している。
リッポー・カラワチはメイカルタの開発ほか、マンションやショッピングモールなどの開発、病院チェーンの運営などを手掛けている。
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