米農務省、トウモロコシ在庫推定を引き上げ 需要低迷で
【シカゴ=野毛洋子】米農務省が8日発表した3月の穀物需給はトウモロコシと小麦の需給の緩みを示した。米国の2018~19年度のトウモロコシ期末在庫推定を前月比254万トン増の4662万トンに引き上げた。エタノール向け需要や輸出の低迷を見込んだためで、市場予想を上回った。小麦の期末在庫推定も輸出減から122万トン増の2872万トンに引き上げた。
大豆の期末在庫推定は前月比27万トン減の2449万トンに引き下げた。国内の加工需要増を見込んだ。ただ、米中貿易摩擦による中国向け輸出低迷で、期末在庫は依然として過去最高水準にある。
イリノイ州の穀物ブローカー、アレンデールのリッチ・ネルソン氏によると、大豆の需給バランスを示す在庫率(期末在庫を総消費量で割った数値)は34年ぶりの過剰在庫を示す。「中国の大量買い付けが実現すれば過剰在庫は解消する」(ネルソン氏)という。
パーデュー米農務長官は2月22日に中国が米国産大豆1千万トンの買い付けを決めたとツイッターに投稿したが、大規模な購入はまだ実現していない。