LIXILトップ交代、株主反発 「人事やり直しを」
LIXILグループは7日、瀬戸欣哉社長が最高経営責任者(CEO)を退任した決定過程について株主の一部向けに説明会を開いた。十数社の機関投資家などが招かれた。会社側が「瀬戸氏はCEOとしての資質に欠けていた」などと繰り返したのに対し、株主から「トップ人事をやり直してほしい」などと反発する意見が相次いだ。
焦点になっているのは瀬戸氏が退任し、創業家の潮田洋一郎氏がCEOに就いた昨秋のトップ人事。2月に会社が発表した検証結果では「(人事は)適法、有効」と結論づけたが、説明会では株主から「指名委員会のメンバーが自身をトップに選ぶのは利益相反」などと不満の声が相次いだ。
検証では、瀬戸氏に辞任の意思がなかったにもかかわらず、潮田氏が「瀬戸氏が辞任の意思を持っているかのような発言をして指名委員会を招集し人事案を決めた」と指摘。その一方で瀬戸氏には「指名委員会の総意で覆すのは困難」などと伝え、取締役会で決議されたとの事実関係を認め、潮田氏の言動は誤解を与えたとした。
今回の説明会に出席した株主によると、株主の質問などに会社側は明確な回答を避けた。潮田氏は昨年12月の株主向け説明会で「(瀬戸氏に)納得し辞任してもらった」と回答していた。株主は「当時の説明が虚偽だったということ。問題が一層色濃く浮かび上がった」と憤る。
資産運用会社米ブラックロックなどが人事に疑義を呈する書簡を送るなど、企業統治に対する視線は一層厳しくなっている。LIXIL広報は「質問や提案は頂いているが現時点でこれ以上の対応はない」としている。
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