復旧の歩み、仮設店舗も 北海道地震から半年
昨年9月に最大震度7を観測し、関連死1人を含む42人が死亡した北海道地震は6日、発生から半年を迎えた。36人が土砂崩れで犠牲となった厚真町では被災事業者向けの仮設店舗が整備されるなど復旧の歩みが進む。宮坂尚市朗町長は「意思さえあれば道は開け、復旧が成し遂げられる」とのメッセージを発表、住宅再建などの取り組みを加速する考えを示した。
厚真町に加え、隣接する安平、むかわ両町は飲食店や新聞販売店などの仮設店舗を整備。厚真町では建物被害などで営業再開が難しい4事業者が入居する。6日の内覧に訪れた北條佳苗さん(41)はカフェとヨガスタジオを営む予定で、町を元気づけたいという。「店内はきれいで明るかった。仕事を再開できるのはありがたい」と話した。
仮設住宅の入居者と町との意見交換会も同日開かれ、宮坂町長も出席した。参加した農業、山崎基憲さん(44)は「多くの方々から支援をいただいた。生活が元通りになるまで何年かかるか分からないが、前向きに進んでいきたい」と語った。町は被災者の意見を踏まえて復興計画を今秋策定する方針だ。
町内では道路や河川などの土砂撤去作業が続く。基幹産業の農業では大半の農地で今春の営農再開が可能となったが、一部の田畑では土砂の撤去が始まったばかり。今春の作付けを諦める農家もいる。被害が大きい林業の再生も先が見えない。
地震は昨年9月6日午前3時7分に発生し、国内初の全域停電を招いた。道によると、道内では今年2月8日時点で住宅2052棟の全半壊を確認。道は被害が大きい厚真、安平、むかわの3町に仮設住宅233戸を整備した。3月5日時点で205世帯の455人が暮らしている。〔共同〕